2011年08月19日

優秀なジャーナリストの死

今朝テレビをつけたら、昨夜、南オーストラリア州でヘリコプターが墜落して、3人が死亡したらしい、というニュースをやっていました。

この3人はオーストラリアのABC放送の社員で、ポール・ロッキヤー(Paul Lockyer)記者とカメラマンとヘリのパイロットだということも分りました。3人ともベテランなだけでなく、腕も最高で、同僚の信頼も厚く慕われていたそうです。

午前中に3人が亡くなったことが正式に確認されました。

ABCでは今日1日、ニュースの多くの時間をとって、この事故について報道していたのですが、それは、自分の会社の社員だからというだけでなく、この3人によってこれまでに放送されて来たニュースや番組が、オーストラリアの視聴者に支持されてきたということに他なりません。

私は、カメラマンの人とパイロットについては良く知らないのですが、ロッキヤー記者はすごい記者だと思っていたので、とても残念です。40年近く、特派員などとして海外からニュースを送っていた事もあれば、オリンピックなどスポーツの報道も手掛け、最近では、オーストラリア各地を飛び回って多くのニュースを手掛けてきた記者です。

特に今年の初めに起こったクイーンズランド州の水害やサイクロンによる被害の取材では、的確に情報を伝えながら、温かい人柄がにじみ出るような報道ぶりで、私はすっかりファンになってしまいました。水害・サイクロンの報道では、いろいろな会社の記者やキャスターが、入れ替わり立ち代わり長時間画面に登場しましたが、災害の大きさに圧倒されているのか、興奮してはしゃいでいるようにもみえる記者もいて、そうした人たちと比べると、被害者を思いやりながら取材をする、というロッキヤー記者の仕事のレベルの高さは、本当に際立っていました。

見事な報道ぶりに感心すると同時に、仕事には、テクニックだけでなく、その人の有り様も現れるので恐ろしいなあ。きっとどんな仕事でもこれは同じだろうから、私もいい加減な仕事をしてはいけないなあ、と考えさせられました。

今回の事故は本当に残念です。

posted by OZK at 12:42| Comment(0) | 時事問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月06日

オーストラリア経済だって

アメリカの国債の格付けが下がったり、ヨーロッパの国々の財政が懸念されたり、そのため世界各国株価が下がったりしてしています。

オーストラリアのギラード首相やスワン財務大臣は、
豪州経済のファンダメンタルズは強い、これまでだって、他の国々が苦しんでいるときに、オーストラリアはなかなかよくやってきた、(だから、大丈夫ということか?それほど心配する必要はない、ということか?)などとコメントしていますが、

今は世界中、何でもどこかで関連していて、自分達だけが無傷などということは有り得ないのではないか、と思うのですが。

アメリカやヨーロッパの景気が悪くなって消費が落ち込めば、そうした市場に商品を供給している中国に影響が出て、
最終的には、中国に鉱業産品を輸出しているオーストラリアだって痛手を受けるのではないでしょうか。

そして、今、豪州経済がまあまあうまく行っているように見えるのは、実は鉱業が絶好調で、それが景気を引っ張っているだけのことなので、そこがコケたらどうなることか。

やっぱり、心配です。
posted by OZK at 17:23| Comment(0) | 時事問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月26日

アース・アワー/あっちの選挙とこっちの選挙

今日は、アース・アワー(Earth Hour)というイベントで、夜8時半から1時間、家中の電灯を消していました。

アース・アワーというのは、2007年にシドニーで220万人と200余りの企業が参加して始まった運動ですが、翌年にはあっという間に世界中に広まり、35カ国の5000万人が参加したそうです。3月末の土曜日、午後8時半から1時間電気を消して,地球温暖化問題に貢献しようという運動です。

日本では、計画停電で、いやおうなしに電灯のつかない数時間を強いられている地域もあり、そうした地域に住む人たちにとっては、アース・アワーなど、たちの悪いジョークのようなイベントだと思われるかもしれませんが、原発に問題が起こっている時だけに、自主的に1時間でも電灯無しを経験して、資源や、温暖化、生活のあり方について考えてみるのは意味があるのでは、と思い、電気を消して、暗い部屋で過ごしました。

オーストラリアのニュースでは、今日も、福島の原発が予断を赦さない状況だということを伝えています。
オーストラリアからのレポーターが、人の行き交う東京の街頭に立って福島の状況を説明しているのですが、このレポーターの背後を歩いている人たちは、どんな気持ちで街を歩いているのだろうか、騒いでみたって仕方がないと思っているのかな、心の中ではとても不安なのかな、と、そんなことを考えながらニュースを見ていました。

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今日はまた、シドニーを州都とするニューサウスウェールズ州で州選挙がありました。
16年間にわたって州政権を担当した労働党は、ここ数年不祥事続きでしたが、ついに州民から愛想をつかされ大敗しました。過去に類をみない惨敗です。

シドニー・オリンピックを成功させたボブ・カーが退いた後、2005年から、モリス・イエマ、ネイサン・リース、クリスティーナ・ケネリーと3人の州首相が出ましたが、公共交通政策や公立病院の改善などが全く進まない上に、大臣、側近の不祥事なども相次ぎ、選挙前の支持率は20パーセントを切る有様で、今日の投票を待たずに結果は分っていたようなものでした。

2005年といえば、ちょうど私がオーストラリアに引っ越して来た年です。ちょうど州政治が大変な時期に、シドニーに住んでいたことになります。次から次へ問題が起こるのを、オーストラリアではこれが普通なのか、と眺めていましたが、そういうことでなかったのだ、というのが、今回の選挙に関する報道で分かりました。

これからのニューサウスウェールズ州、特にシドニーがどう変わって行くのか、興味津々です。

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一方、昨年12月にシドニーから越して来たクイーンズランド州でも、今週、州政治に関して大きな動きがありました。

この州でも、タイミング的には、いつ州選挙が行われてもおかしくないのですが、2011年は、年の始めの洪水やサイクロンの被害の復興に全力を尽くす、ということで、アナ・ブライ州首相は、今年の選挙はない、としていました。昨年までは、ブライ州首相が率いる労働党政権に対して、州民の不満がたまっていたらしいのですが、洪水・サイクロンに際してのブライ首相の的確で、しかも人間味あふれる温かい対応が、人々の共感を呼び、ここのところ首相の人気は一時と比べると、ぐっと上がっています。

ところが、おととい、くすぶっていた憶測が現実のものとなり、現ブリスベン市長のキャンベル・ニューマン氏が”州首相になって、州都のブリスベンだけでなく、クイーンズランド全体の力になりたい”と公に宣言しました。

ニューマン氏は、2004年から市長を務めていますが、やり手で評判もよく、今年始めの洪水時も勢力的に動き回っています。

ニューマン氏が今回考えているのは、ブリスベンの選挙区から野党の自由国民党公認で出馬、当選したら党首となり、そして州首相となる、という筋書きなのですが、普通は、”政党の党首であり、選挙民の投票により有権者の代表として州議会議員となっている者が、州首相となる”ということからすると、かなり変則的で、この点が党内に亀裂を起こす原因ともなっています。

さらに、党首になることを既に前提として、自由国民党内で計画が進んでいるので、実際に選挙の末議員に選ばれ、議会に出席できるようになるまでは、ある自由国民党の有力議員を通じて、自分の意見を議会での議論に反映させて行く、としています。もし、この議員と自分の意見が異なる場合も、自分の意見の方を優先してもらえる、というのが、ニューマン氏の説明なのですが、そんなにうまくいくものでしょうか?

もちろんこんなやり方を、現党首がよしとするわけもなく、党の説得を受けてか、党首は身を退き、また、こうした一連の計画に不満な党員は脱党するなどしています。

なぜ、こんな無謀ともいえる計画に出たかというと、辞めた党首では州政権の奪還が難しく、ほかには党内に、これという有力候補が見当たらないことから、元気いっぱいのニューマン氏に白羽の矢がたった、ということですが、この動きを、リスクの大きい賭け、と見る向きもあるようです。

こうした過去にない動きに、ブライ首相は、議会制度を揺るがすもの、洪水で被害にあったブリスベン市が一番必要とする時に、市長が自分の街を見捨てる動きだとして、批判しています。マスコミは、ブライ州首相が前言を翻して、ニューマン氏が体勢を整える前に選挙を行うのではないか、と見ています。やり方の是非は別にして、ニューマン氏が手強いライバルとなることは必至で、州首相の座を巡って大変な戦いになりそうです。

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あっちもこっちも、いろいろな動きがあって大変です。



posted by OZK at 23:35| Comment(0) | 時事問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2週間後、原発について

地震から2週間。
地震が起こった直後ほどではないにしても、気がつくとテレビでニュースをやっていないか、インターネットで日本のメディアを見ようか、という毎日はまだ続いています。

学生の頃、「世の中に”絶対”なんていうことはない」と言われたことがあります。
いろいろな学校からの学生が集まって活動をしていた場で、私がなにかについて「これは絶対にいい」とか「絶対に正しい」とか言ったことに対して、ある男子が、「世の中に”絶対”なんていうことは、ネーンダよ」と言ったように記憶しているのですが、その子のことが大嫌いだったからではなく、くやしいが言っていることは正しいんだろうなあ、と思い、いまだによく覚えています。

どうして、こんなことを書いたかというと、
今回の福島の原発について、
「やっぱり、絶対(に安全)ということは、なかったなあ」と、ナイーブにも思っているからです。

原子力発電については、電力会社はこれまで、”絶対安全”とは言われたかったかもしれませんが、いちおう”安全”だとは言ってきたと思うのです。というか、”安全”だと言っていると信じたい、と私が思ってきただけかもしれません。少なくとも、コトが起こったときにはちゃんと対処できるほどには”安全”だと思っていました。今から考えると、私も単純ですね。

今回は、想定外の災害にあった、という点では、原発運営者に対して気の毒だと思わなくもないし、現在、大変危険な環境下で復旧作業を続けている方達に対しては、本当に感謝でいっぱいですが、

しかしながら、原発のなかで起こっていることを把握できていないようなのには、困ったものだと思わざるを得ません。想定外の災害だと言うことについても、その後に起こっていることを考えると、そう言われたからといって納得がいくものでもありません。

問題が起こっていても、「これこれこういうことが起こっていて、これからこうします」と言われれば、不安ながらも、お任せします、頑張ってください、となると思うのですが (もっとも、分っていなくても、お任せせざるを得ないのが現状ですが)、当事者が状況を把握できないというのは問題だと思います。これで、”安全”と言って来たのか、と思うとお粗末だし、そんな”安全”を信じて来た自分はアホだ、といやになっています。

一般的にこういう場合、状況を理解できない当事者は(この事柄について=つまり今の場合は原発について)不適格、ということになるのが、普通なのではないでしょうか。また、一般の商品だと、危険性があって、特に製造者、販売者が理解できないようなものは、使用不可、販売不可となるのではないでしょうか。

それなのに、原発の場合は、電力需要に対応するため、ということで、”安全”だ、というか、”安全”にします、と言って、使って来ているわけですよね。でも、今回のようなことがあると、納得しにくいです。今回問題となっている発電所に関しても、「もう、使うことはできないしょう」などと、ニュース解説者が言っているのを聞くと、壊れてこんなに問題を起こしているものを、将来まだ使おうと思っている人がいるのか、と驚いたりもしているのですが。

国の発展・維持の為には電力が必要だから、ということで、無理がとおっている、ということでしょうか。電力という人質。原発反対を唱えて来た人たちには、「あんた、今頃そんなことに気がついたのかい?遅いねー」と言われそうですが。

今回、問題となっている電力会社は、今回の問題についても、いろいろ政府に助けてもらうんですよね。国民の生活、国の経済に大きな影響があるというので、民間会社でありながら、民間でないということなのでしょうが、こういうのも、ちょっとどうかという気がします。責任や補償などで、つぶれてしまっては、社員の人たちの生活や国の経済にあまりにも大きな影響があることは分りますが、つぶれない、と分っている会社は、責任を取り方が甘くなるのではないでしょうか。こういう半民間みたいな会社のギリギリいっぱい、というのは、どういう状況なのでしょうか。日々シビアに責任をとり続けている他の会社の経営者は、あきれていないでしょうか。


と、こう、理屈だけで考えて,文句を言ってみても、
真夜中に、電灯をつけて、クーラーのきいた部屋で、パソコンに向かっていては意味が無いですね。文句を言いながら、自らも行動を変えていかなくては、と思います。

今回のことで、何か少しでもいいことがあったとしたら、
いつも現状肯定型の私ですら、このままのエネルギー政策ではまずい、と考えさせられている、ということかと思います。

posted by OZK at 00:56| Comment(0) | 時事問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月22日

誰が政権をとるのかまだまだ分らない、豪州の選挙

オーストラリアの総選挙は、投票日から一夜明けた今日になっても、まだ、労働党と自由党・国民党の間で、戦いが続いています。

まだ開票が終わっていないところがあるので、結果は確定していないのですが、現与党の労働党は下院で70議席を確保、自由党・国民党の野党連合は72議席を確保したようです。しかし、双方とも過半数の76議席には届かず、無所属と緑の党の当選者を自分の陣営に取り込んで政権獲得を狙う、というところに、戦いの焦点が移っているようです。

激しい戦い、といえば、確かにそうなのですが、今回の場合、どちらの主張も素晴しくて激しい戦いになったというよりは、どっちもどっち、という、ぱっとしない者同士の戦いで、結局、どちらも決定打に欠けていたために、こういう状態になってしまいました。

オーストラリア初の女性首相として選挙に臨んだギラード首相ですが、ご本人の能力はともかく(とても聡明らしいです)、首相になったいきさつが、前首相を党内の派閥のリーダーが引きずりおろして、ということだったこと、また、その後の選挙戦でも(これも、その首相になったいきさつと、おそらくは関係があるのでしょうが)党内から、選挙に不利になる情報がリークされるなどして、それがマイナスに働き、苦しい戦いを強いられたと思います。

一方、アボット野党連合代表は、選挙戦前までは、なにかと発言に問題が多く、こんなんで大丈夫なのか、と心配しましたが、いったん選挙戦が始まってみると、よく自制心を働かせて、私の知る限り大きな失敗もなく、頑張ったなあ、という気がします。非常に失礼な言い方だとは思いますが、選挙戦を通して成長しましたねー、という感じです。もっとも、だからと言って「オーストラリアには、(巨大な投資をしてまで)全国を網羅するブロードバンド網はいらない」などというアボット氏の主張に賛成しているわけではありませんが。無駄な投資は困りますが、これではますます世界に遅れてしまいます。

選挙なので、当選した人、落選した人、いろいろですが、今回は、環境問題に力を入れている緑の党から、初めて下院議員が出ました。西オーストラリア州では、初のオーストラリア先住民(アボリジニ)議員が生まれる可能性があるそうです。

早々と落選が決まった候補者の中に、マキシーン・マッキューという人がいます。それまでABC放送に勤務していたこの人は、前回2007年の選挙のときに、当時のラッド労働党党首の後押しを受けて、現職の首相だったハワード首相の選挙区から初出馬し、ハワード氏を破って当選、大きな話題になりました。今回はあっさり落選。

落選後のテレビのインタビューでは、党の選挙戦の仕方が悪かったと批判していました。でも、その前日の金曜日、もとからこの人の選挙区は厳しいと言われていたためか、ギラード首相がじきじきに応援にやって来て、首相は、この地区を走る新しい鉄道路線のために連邦から資金拠出をすると約束、ふたりでニコニコと支持者に応対していたのですが、あれは、何だったんでしょうか?選挙前に所属する党を批判する必要はないとしても、自分が負けたからと言って、手のひらを返したように、すぐさま文句を言うとは。

今日のABCを見ていたら、マッキュー氏の選挙区で町行く人たちに選挙後の感想を聞いていました。レポーターによると、どの人も、マッキュー議員を地元で見かけたことがない、と言っていたそうです。反対に、当選した自由党で元プロ・テニスプレーヤーのジョン・アレキサンダー氏は、この4年間、町に出て人々の意見を聞いていたそうです。ABCは、結局のところ有権者は、どの政党の候補者かということより、自分たちの生活の面倒をちゃんと見てくれると思える候補者に、投票したのだろう、と結んでいました。

そういえば、私の住んでいるところの議員さんは、この選挙を機に政界から引退してしまったのですが、地元のコミュニティーペーパー等を見ると、毎日、あちこち走り回って、意見や問題を聞いているのがよく分りました。近くのショッピングセンターで、普通に買い物をしているのを見かけることもよくありましたし、地元の小さなイベントでもよく見かけました。所属政党は私が支持している政党ではなかったけれど、一生懸命、地域を良くしようとして努力してくれているのがよくわかりました。初めて、いい政治家、と思える人に会ったような気がしました。
posted by OZK at 22:18| Comment(0) | 時事問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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