2010年02月04日

iPad 発表で、電子本に期待

先日iPad の製品発表がありましたが、私は、iPadのような製品が人気を得ることで、海外にいながら、もっと手軽に多くの日本の本や雑誌が読めるようになるのではないか、と期待しています。

電子本という媒体は、かなり前から、いずれ従来の紙の本に取って代わる可能性があると言われてきましたが、なかなか、マーケットとしては盛り上がりませんでした。しかし、マスコミの報道によれば、今回のiPadで、本格的に電子本市場が活性化するのではないかと、出版業界が色めき立っているといいます。

今回の発表で興奮したのは、出版界ばかりではありません。一読者の私も、これからは、発売と同時に、 いまより安く、日本で出版される新刊本を、どんどん読めるようになるのではないか、と期待しています。

本esww.jpg私が海外に出たのは1998年ですが、それ以来、当たり前のこととはいえ、日本語に接する時間が激減してしまいました。サラリーマンが会社帰りに一杯やるのを楽しみにしているのと同じように、会社帰りに本屋をぶらつくのを楽しみにしていた私としては、いくら英語の本屋があるじゃないかと言われても、物足りないものがあります。

インターネットでも日本語は読める、と言われるかもしれませんが、やっぱり本というものも、読みたい。スクリーン上の日本語を軽くみているわけではありませんが、やはり、ベテランの編集者の手になった日本語は、違うものがあるように思います。

いまは、シドニーに2軒、日本の古本屋さんがあり、品揃えも充実していて、値段も安いので、助かっていますが、新刊本を買おうとすると、シドニーの中心にある紀伊国屋さんしかなく、とても高い(紀伊国屋が悪いのではなくて、輸送費がかかるためだと、私は理解しています)。それでも、そういう店に行かれればいいほうで、そういう店から離れたところに住んでいて、いわゆる日本語の活字中毒の人がいたとしたら、かなり苦しい状況だと思います。

また、本というものにもトレンドがあり、私のようにあまりにも長く新刊本市場の動向から離れていると、たとえ紀伊国屋に行ったとしても、自分のことだというのに、一体自分がどの本を読みたいのかも、分からなくなっています。いきおい、古本屋で、自分が日本にいた頃よく読んだ著者の本を買う、ということになってしまうのです。

そんなわけで、電子本市場が拡大して、新刊本もすぐにどしどしオンラインで読めるようになると、旬の本を手頃な値段で読みたい、という長年の欲求が解消するのではないか、と期待しているわけです。

できれば、本屋でぱらぱらっと中を立ち読みしてから買うように、一部分をお試しで読んでから買うことができるといいのですが。いま、私が本のオンライン・ショッピングを利用しにくいのは、中を見られないという事情があるからなので。

もし、この夢のような状況が実現したら、多分、文章を読むタイプの本(小説など)は、まず電子本で読んで、気に入って手元におきたいと思ったら、従来の形の本を買うことになるのではないかと思います。イラスト・写真・グラフィックなどの本は、電子本のみ、という新しい形態の出版も生まれてくるのではないかとも思います。

きっと、電子本興隆の可能性については、印刷業や紙の製造業の人たちは、危機感を持っているでしょう。でも、私は、紙の媒体というのは、そんなにはすぐにはなくならないのでは無いかと思う、というより、なくなって欲しくない、と思うんです。なにしろ、私の場合、版画をやっていて楽しい理由のひとつに、「質のいい紙に触っているのが楽しいから」というのがあるものですから。

そんなことを考えるのは変わり者?いやいや、紙を扱うアーティストのなかには、同じように考える人も多いだろうと、ふんでいます。

もしかして、あなたもそうじゃありませんか?





posted by OZK at 20:28| Comment(2) | 本・インターネットなど | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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