2010年06月12日

ウィリアム・モリスと柳宗悦の本

アートアンドクラフト運動関係の本を2冊買いました。

今日は、何週間か前に形を作ったまま放ったらかしにしてある陶芸に、釉薬をかけて完成させなくてはと思い、アートセンターに行きましたが、その前に、以前から時々のぞいてみる貸本屋さんに寄ってみました。ここは、古本をいったんは買うということにしてお金を払い、返すと代金の何割かを返してくれるという古本屋さんです。また中には、買い取りだけ、という本もあり、今日買ったのは、両方ともそうした本です。

一冊は、”Arts & Crafts IN BRITAIN AND AMERICA”という、1978年出版の本で、アーツアンドクラフツの説明から歴史、関わったアーティストや作品等を紹介した包括的な本です。

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アートアンドクラフト運動は、イギリスの思想家でもあり、詩人でもあり、デザイナーでもあるウィリアム・モリスが主導したデザイン運動で、産業革命の大量生産による安いが粗悪、という商品を批判し、手仕事の良さを生かし、生活と芸術を統合しようとしたものです。

かなり以前からアーツアンドクラフト運動には興味があって、モリスのデザインも好きだったのですが、一度もちゃんと勉強したことがなかったので、いい本に出会えてうれしいです。

もう一冊買った本は、アーツアンドクラフト運動に共感し、日本で民芸運動を起こした柳宗悦の評論集の英訳本で、やはり1978年刊の”The Unspoken Craftsman”です。柳宗悦の名前はいろいろなところで読んだり、聞いたりしたことがありますが、本人の考え方に直にふれるのは初めてなので、楽しみにしています。ちらっと見ただけですが、英語の訳文もそんなに難しくなさそうです。

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中に、前の持ち主さんがはさんだのか、新聞のアート欄の切り抜きが2、3枚はさんでありました。

yanagibookcontent-es.jpg


一番古い切り抜きには1981年とあります。切り抜きの内容からすると、前の持ち主さんは、陶芸家だったのではないかと思います。今度は、版画作家の私がお世話になります。

ひょっとして、この2冊は、同じ人の所有だったのではないかと思うのですが、持ち主がお亡くなりになったため(そういう理由で古本屋に運び込まれる本も多いと聞きます)、まとめて古本屋に引き取られたのかもしれません。

2冊とも30年以上前の本ですが、最近の本が、写真やグラフィックに頼っているように見えるのに対し、昔の本は、文章による説明が充実しているようで(特に柳宗悦のは、評論集なのですから、当たり前ですが)そういう意味でも、手に入れることができて、とても嬉しいです。明日ゆっくりと見てみようと思います。

レジに持って行くと、25パーセント引きにしてくれました。
どうして、と聞くと、あと2ヶ月で閉店するからだ、と言われました。 店舗で商売をするのは、このご時世、なかなか難しいのだそうで、閉店時に店に残った本は、オンラインで売るつもりだそうです。しょっちゅう通っていた店ではありませんが、シドニーに越して来てからずっとあった店なので、なくなるのは寂しいです。とくに、本屋巡りが好きなので、本の店がなくなるのは、悲しいです。



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2010年05月24日

コーヒー片手の立ち(座り)読み

本や雑誌が好きで、しょっちゅう本屋に行きます。

オーストラリアでは、イギリスやアメリカでもそうですが、基本的には、本屋は本を売るところで、雑誌は、newsagentなどと呼ばれる新聞兼文房具販売店で売られています。Newsagentは、駅前や郊外の商店街には、ほとんど必ずあり、周りにあまり店の無い場合、牛乳やお菓子、タバコなどを扱っていることもあり、日本に昔あった「たばこ屋さん」というイメージに近いかと思います。

ちょっと脱線しましたが、そんなふうなので、本屋で雑誌を立ち読みするというのは不可能かと言えば、アメリカ系のBordersという本屋では、どういう経緯なのかは知りませんが、本と雑誌の両方を扱っています。経営的には、オーストラリアでは、オーストラリア資本の別の大手書店の傘下にあるようですが、品揃えは、独自性を保っています。売り場面積も広いので、当然のことながら、商品数も多いです。

オーストラリア国内にすでに何店かありますが、有り難いことに、すぐ近くにも一店舗あります。さらにこの店の有り難いところは、店内に喫茶店があり、選んだ本を、コーヒーを飲みケーキを食べながら、買おうかどうか吟味できるというところです。ということにはなっていますが、実際には、コーヒー片手に、立ち読みならぬ座り読みをしている人が多いかも。実は私もそのひとり。どうしても手元に置きたいと思う本や雑誌もあるので、それはもちろん買いますが、ここで、ざっと斜め読みして終わり、という本も結構あります。

これがその喫茶店。

borderscoffee-esww.jpg


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棚からとって来て喫茶店で読んでいいんだよ、と、近くに住む日本人の友達に言ったら、口を揃えて「えー、そんなこといいのー?だって、本がよごれるじゃない?」はい、まあ、それはそうなんですが、大丈夫なんですよ。

日本の場合には、何事においても、ピカーッときれいで、キチンとしているのがよろしい、という文化なので(と、外から見るとそう見えます)、売り物の本が汚れているかもしれないというのは(実際に汚れていることは、まれで、そういう本はバーゲン品に回るようです)許されないですよね。

だから、日本ではこういう店の有り方はあまりないのかな。でも長野に行ったときにパン屋さんがメインで、輸入の小物や本も扱っていたお店では、その場でパンを買って、本も読めたような気がするけれど、気のせいだったかな。アメリカでは、私が住んでいたところのまわりの本屋は、Bordersはもちろん、他の大手書店もこんな感じだったし、イギリスでもBorders の支店によく行っていたので、なんだか、こういうシステムに慣れてしまって。日本に帰って、本屋に行くと、なんで座ってお茶を飲みながら、落ち着いて本を選べるところが無いんだ!と、むっとしてしまう私、すっかり、浦島タロ子です。

本が汚れるというのも、すでに本の価格に織り込み済みなんじゃないかと思います。希望小売価格はあるものの、日本と違って、書店ごとに本の値段にはばらつきがあり、私の見るところ、Bordersの価格は、近くの喫茶店のないもっと小さな本屋と比べて、本によっては、希望小売り価格が20ドルぐらいの本の場合、1ドルから3ドル高めのこともあります。さらにすぐそばには、大手安売りスーパーがあり、新刊本などが3割引で買えることもあるので、喫茶店併設というのはBordersなりの差別化戦略だと言えるのではないかと思います。

それにまんまとひっかかっているのが、私です。でも、この店が近くにあって、とてもラッキー、そして、今日もまた出かけて行きます。すでにBorders無しでは、ちょっと苦しい私です。

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2010年04月11日

「モモ」と「ポビーとディンガン」

最近、かなり昔に買ったままで読まずにいた本を2冊、続けて読みました。

一冊は、ロンドンで10年ほど前に買った”Pobby and Dingan”という本です。日本でも「ポビーとディンガン」という邦題で翻訳されていると思いますが、10年ぐらい前に日本でも話題になり、新聞で紹介されていたのを見て、原書を買ったのだと記憶しています。

momo-esww.jpgもう一冊は、さらに昔、おそらくは20年以上前に東京で買ったミヒャエル・エンデの「モモ」。四半世紀にわたる積ん読に耐えただけでなく、日本、イギリス、アメリカ、オーストラリアと、地球を一周して来た末に、やっと読まれたという本です。

2冊とも、大人が読むとずしーんとくるような、大人ためのファンタジーともいえるジャンルの本です。両方とも、何度もトライしましたが、以前は読み始めても、最初の数ページで挫折、読み通すことができませんでした。

言葉や内容が難しい、というのではなく、テーマとなっている事柄が、その時の自分にしっくりと来なかったのだと思います。「モモ」を読んだ方には分かるかもしれませんが、私も、これまで、「時間どろぼうに時間を盗まれていて」こうした本を楽しむどころではなかったのかもしれません。

今回、この2冊を続けて読もうという気持ちになって、読み通すことができたということは、私の中で、何かが変わってきているということなのかもしれません。
posted by OZK at 23:07| Comment(2) | 本・インターネットなど | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月28日

ブログを通して日本を見る

今日でブログを始めて3ヶ月目です。

blog-es.jpg去年の暮れも押し迫った12月28日に、年のはじめにたてた「ブログを始める」という目標を忘れていたのに気づき、大急ぎの滑り込みセーフで始めたブログです。
毎日更新することを今年の目標にしたのを、珍しくも守って、3ヶ月間、毎日書いてきました。

自分としては、毎日更新している、ということより、年のはじめにたてた目標をいまだに実行しているということの方がうれしいです。生まれて初めてじゃないでしょうか、1年の計というのを、忘れずにいるというのは。

今は海外で暮らしていますが、日本にいた時から外国のことには興味があって、日本の中から外を一生懸命見ていました。今は反対に、日本の外にいてブログをするということで、コンピュータという小さな窓を通して、日本の中をのぞいているという感じです。

特に日本ブログ村に登録してから、版画をはじめ、その他のアートやクラフトを製作している人たちの活動を知ることが出来たのは、大きな収穫だったと思っています。

東京以外のところで暮らし、製作している人たちにとって、東京進出というのが、ひとつの目標らしい、というのも分かりました。と同時に、地方にも素敵なギャラリーがあり、活発に作品を発表しているアーティストの人たちがいるのを知ることが出来て、励みになりました。

私は東京でずっと暮らしていたので、その当時はアーティストではなかったけれど、東京の有り様が「普通だ」と思っていたところがあります。次に行ったロンドンも、アートの面ではかなり恵まれたところで、そういうところと比べると、美術をする者にとって、シドニーは必ずしも条件のいいところとは思えないでいたのですが、いろいろな人のブログを見て、それならそれなりの頑張りようもあるかもね、という前向きな気持ちになりました。

もうひとつ、ブログを始めて楽しかったのは、日本各地、世界各地にいる人たちの様子を知ることができたこと。インターネットなしには、物理的に知り合うことが出来なかったであろう人たちと知り合うことができたというのも、大きな収穫でした。東北や九州の様子を知ることができるのは楽しい。シドニーは冬といっても、たいして寒くならず、雪が降ることほぼ絶対にないので、ブログで誰かのペットのワンちゃんが、雪の中をうれしそうに走っているのを見たりすると、手放しでかわいいなあー、と思ってしまいます。日本のようなおいしいケーキを売っているところも皆無なので、おいしそうなお菓子が紹介されていると、つい生唾が。そうやってブログを見ているうちに、寝る時間が遅くなってしまうんですが。

東北や九州発のブログにアクセスするのと同じ簡単さで、パリや、アメリカ、世界各地にいる人たちの様子を知ることが出来るというのも、物理的、時間的距離を考えると、やっぱりちょっと、すごいことなんじゃないか、と思います。

というわけで、おかげさまで、ブログによって私の視点も広がり、それは、本当に何事にも代え難く素晴しいことなのですが、反面、ブログをすることで、版画を製作する時間と睡眠時間が減ってしまったことも確かです。これからは、いかに有効に時間を使っていくかが課題です。

では、これからもどうぞよろしくお願いいたします。
posted by OZK at 15:39| Comment(1) | 本・インターネットなど | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月24日

ペットとしてのブログ/アクセスが遅くて

きのうはseesaaがメンテナンスとのことで、ブログの更新ができませんでした。
メンテナンスは正午に終わるはずでしたが、いったん終わって後(seesaaによると)午後5時から、再度、今度は予定外のメンテナンスに入り、今朝見ようとしたときには、まだメンテナンス中でした。無料でブログの場を提供してもらっているので、仕方ありませんが、このハイテクの世の中で1日半以上も接続が出来ないなんてことがあるんですね。

毎日ブログを書くことを新年の目標にしたこともあって、3日坊主の私にしては珍しく、これまで毎日書いてきましたが、そういう理由で一日お休みしました。

が、いまこのブログを書こうとして、アクセスのスピードがあまりにも遅いので、愕然としているところです。写真を2つのせようと思いましたが、アップロードにものすごく時間がかかるので、あきらめました。どのぐらい遅いかというと、もう居眠りしてしまいそうに、遅い。異常です。メンテナンスなんて、してくれなくてよかったのに。私だけでしょうか?もし、みんながこんなに遅いとすると、再度”メンテナンス”とやらがありそうな予感がします。

     ******

さて、気を取り直して...。今、”blogging heros-- Interviews with 30 of the World’s Top Bloggers”(Michael A Banks著、John Wiley and Sons刊)という本を読んでいます。非常に多くの読者を集めるブロガー達が、何を考えながらブログをしているか、ブログ初心者はどういうことを気をつけてブログを運営していけばいいか、などを語ったインタビュー集で、なかなか興味深く読んでいます。

この本の中で、Lifehacker (www.lifehacker.com) というブログを書いているGina Trapaniという人がこんなことを言っています。

「ブログをやっていくことが、こんなに大仕事だということを前もって知っておいたら良かったと思う。単なる気の迷いで、始めていいようなものではない。うまくいくブログというのは、おなかをすかしているペットのようなもので、いつも、散歩に連れて行ったり、餌をやったり、お風呂にいれてやったり、お尻の世話をしたり、かわいがってあげたりする必要がある」(OZK訳)

ほんと、そうですねー。ねえ?

     *****

ここのところ立て続けに、怒っているブログばかりですみません。明日は、出来れば楽しい話題を、と思います。
posted by OZK at 19:16| Comment(2) | 本・インターネットなど | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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