2012年03月22日

個展・搬入・完成

昨日は、ブリスベンのサウスバンクにある画廊で開かれていた、同じ工房のメンバーの個展へ。

版画だけでなく、平面や立体のミクスト・メディアの作品もたくさんありました。この人は、伝統的な手法の版画よりも、いろいろな手法を組み合わせて表現することが多いようです。

去年初めて作品を見た時から、オーストラリアなどの作家にありがちな、画面全体を色で塗りつぶしてしまうような作風ではなく、
平面だと、なにも色をのせていない部分がかなりあって、その空間/余白の使い方が、日本人のわたしが気持ちがいいと思う間の取り方と、微妙に合っているような、合っていないような感じで気になっていました。その作家の内面では何かの法則に従って間をつくっているにちがいないと思って、出身を聞いてみると、パプアニューギニアだとのことでした。どうなんでしょう、空間処理に関して、パプアニューギニア文化内には、なにか特別な独特の決まりがあるのでしょうか?

あなたの構図とか余白の取り方って面白いなあと思っていたの、というと、
私、紙が好きなので、ついつい白いまま残しちゃうの、と言われました。こういうのも”うーん、わかる−。わたしもそうなのー、紙大好き”と、うなずいてしまいました。
彼女は、黒、水色、黄色、ピンクをつかって制作することが多いのですが、それぞれの色が、スモーキーでグレーがかっていて、アイボリー色の、ちょっと黄みの強い白い紙の上では、なんとも、あたたかい、有機的な感じがしました。

気になっていた作家に、少し近づいたような気のする展覧会でした。

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そして、今日。
今日は、またしても雨。ブリスベン市の中心街にあるセント・スティーフン教会に、イースター前の受難節のアート展に出品する作品を搬入してきました。

出品したのは、"Dream II" という数年前に制作したフォトポリマー・エッチングの作品です。
展示は、あさって土曜日から26日の月曜日まで、毎日9時から5時までです。お近くの方は、見ていただけるとうれしいです。

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帰宅後、スペインのカダケスで開催される公募展の為に、小さなサイズの版画を仕上げました。
あとは、完全に乾くのを待って、サインを入れたりエディション・ナンバーを入れれば、本当に完成です。

当初3月半ばの応募締め切りを目指して、かなりハイペースで作業をすすめていたのが、途中で、締め切りが何の理由か、ひとつき半のびたことがわかり、ぷつっと緊張の糸が切れてしまいました。どうなることか、自分でも不安でしたが、ようやく完成し、うれしいです。
応募する際には、同じ作品でなくてもいいので4点作品を郵送することになっていますが、今回は4点違う図柄のものを作りました。

どれも、自分の好きなデザインで納得するまで頑張って作ったつもりですが、4点の完成品の中で特に好きなものと、そうでも無いものがでるのは面白いと思いました。


2012年03月02日

オークションに参加します

シドニーのグリーブにあるYuga Floral Design and Caféで3月17日(土)に開催される、“Art, Music and Food for Buddhism(仏教のためのアート、音楽、食べ物)”というイベントのチャリティー・オークションに作品を提供することになりました。

オーストラリアの北部では、1800年代に真珠産業が盛んになり、特にブルームというところが潜水夫による真珠取りの中心となりました。日本からも潜水夫も多く、その数は一時、2000人を越えていたそうですが、潜水病や事故で亡くなった人も多くいました。こうした人たちは、ブルームにある日本人墓地に葬られ、以前は毎年供養が行われていたそうです。今回のオークションは、その伝統を復活させる目的で行われるもので、収益は法要のための費用に当てられるそうです。イベント当日は、オークションの他に、尺八や琴の演奏、お茶会が行われ、精進料理も用意されることになっています。
参加費は25ドルで、予約はYuga Floral Design and Café (02-9692-8604)まで。時間は、午後5時から8時まで開催されます。イベントの詳しい情報は、
http://mayu.com.au/2012/02/11/art-music-food-for-buddhism/

わたしは今回、このイベントの発起人のひとり、シドニー在住のフォトグラファー金森マユさんの紹介で、参加することになりました。2年ほど前にこのブログを見つけて連絡をくれた、シドニーで活躍中の書家れんさんに、別の用件で金森さんを紹介され、メールで連絡を取り合ううちに、このイベントにも参加することとなりました。人と人のつながりはおもしろいなあ、と思います。

今回提供する作品は、満月の夜に、小舟が波に揺られながら航海しているモチーフの、葉書大のアルミニウム・エッチングの作品です。どなかに、無事競り落としていただければ幸いです。

2012年03月01日

絵本の原画展と、よい返事

東京は雪、オーストラリアでも南の方、ニューサウスウェールズ州や、ビクトリア州では大雨・洪水で大変なことになっているというのに、ブリスベンは暑すぎるぐらいのいい天気で、これを逃す手はないと、きょうは朝早くから何度も洗濯機を回しました。太陽の光が強いせいか、2時間もすれば完全に乾いてしまうので、干している間に、あれやこれやを超特急で片付けて、昼前に洗濯物を全部取り込んで、出かけました。

行った先は、クイーンズランド州立図書館。オーストラリアの絵本作家の原画展を3月4日まで開催しています。
テリー・デントンや、グラハム・ベース、ショーン・タン、アリソン・レスターといった知っている作家の作品もあれば、知らない作家でも、いいなあと思う人の作品がいくつもありました。

いずれは絵本のような活動も出来たらいいなあなどと、うーっすらとあこがれを持って考えているので、原画というのがどんな感じのものなのかを見られたのも良かったですし、会場には、作家が自分の作品や制作過程について説明しているビデオもあって、それも面白かったです。

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家に帰ってきてみると、おととい作品の画像をメールで送った画廊から、返信が届いていました。
何点か、置いてくれるそうです。
またひとつ活動の場が広がりました。

ひとつひとつ、よいしょ、よいしょ、と活動の場を広げて行く感じです。

出来れば来週ポートフォリオを持って行って、どういう条件で、どの作品を置いてもらうかを相談してこようと思います。

2011年11月20日

オーストラリアの草間彌生展

きのう実は、クイーンズランド州立現代美術館で開幕したばかりの草間彌生展に行ってきました。

http://www.qag.qld.gov.au/looknowseeforever/

正直に言ってしまうと、草間彌生の作品はこれまで、なんていうんでしょうか、きらいではないが、好きではありませんでした。
強いて言えば。”ああ、草間彌生なのね”という感じで、ひどい言い方をすれば、好き嫌いを判断することすらなかったとも言えます。

しかし、今回、この展覧会を企画したキューレーターの人の解説を聞いて、俄然興味がわいてきました。

たとえば、なぜカボチャなのか。
これは、戦時中に食べ物がなかったときに、草間氏がカボチャばかりを食べていたことに関係がある、とか、
カボチャというモチーフの形が、非常に有機的な形をしていること、しかしまた、ひとつとして同じ物がないという点において、草間氏が一貫して追求し、トレードマークの水玉のひとつひとつで表現している個人という概念にも関係している、ことなど、
解説を聞いて、”なーるほどー”と興味がかきたてられました。

これまでは、表現方法の点から言っても、全然自分とは違う、と思っていましたが、言いたいことは案外似ているのかもしれない(と世界をまたにかけ大活躍中の芸術家と、駆け出しアーティストである自分を同列に考えるのも気が引けますが)などと思いました。

以前は、”ラブ・フォーエバー(愛はとこしえ)”などと聞くと(これは草間氏の長年のテーマですが)、なんだか気恥ずかしくて、 ついていかれないような気もしましたが、今年は震災などもあったせいか、こんなスローガンも素直にうなづけるような気がします。

2011年10月21日

海の向こうから、版画が

昨日外出から帰ってくると、ドアの前に、大きめの封筒が立てかけておいてありました。

エアメールのステッカーに、イギリスの切手。
イギリスのダービーシャーにあるグリーン・ドア・プリント・メイキング・スタジオからです。

実は今年初めて、この工房が主催しているインターナショナル・プリント・エクスチェンジに参加しました。

世界各国の版画家が、参加費を払い、規定の大きさの版画を10枚送ります。工房で整理をして、10枚のうち2枚は工房に保存、8枚が1枚ずつ、8人の参加者に送られるという仕組みです。こうして、各参加者は、8人の違う版画家が作った作品8点をもらうという、版画交換イベントです。

封筒を開けてみると、その中に、またきれいな包みがあって、どの作家のどんな作品が送られてきたのかという目録と、私の作品が、どの8人の参加者に送られたのかが印刷していある紙と、版画作品が8点入っていました。

リノカットあり、銅版画あり、シルクスクリーンあり。テーマも手法もそれぞれです。テーマが面白いなあ、とか、よく出来てるなあ、きれいだなあ、などとうれしさいっぱいで、一枚一枚見ました。包んである紙やデザインなど、プレゼンテーションもシンプルながらすてきで、版画を一枚一枚めくるときだけでなく、包みを開けるときも、どきどき、わくわく、破らないように、そうっと。

しかし、もっとうれしかったのは、
小さく小さく始めた版画家としての活動で、こうして世界に散らばる仲間とつながることができたということです。

わたしの作品をもらった人たちも、喜んでいてくれているといいな、と思っています。

これから、送られてきた版画の作家と、私の作品が送られていった作家の名前や国籍を、参加者リストでチェックします。お礼のEメールを書こうかな。

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