今日は、フォトポリマー・エッチングのワークショップの2日目でした。
昨日の第1日目と同じように、朝9時から午後4時まで。
この講習会では、市販のフォトポリマー板を使うだけではなく、厚紙とシルクスクリーン用の感光剤を使って、自家製のフォトポリマー板を作ってしまおう!ということで、昨日の午後、暗室の中で下処理した厚紙に感光剤を塗り、一晩かわかしておきました。
暗室は狭いので、8人の参加者がいっぺんに2人ずつ入って作業をしました。まず講師から、なるべく薄ーく感光剤を塗るように注意があったあと、最初の2人が講師と一緒に暗室に入り、実際に厚紙に感光剤を塗る方法を習いました。その後は、講師は暗室の外で、午前中に作った市販の板を使っての版の試し刷りを監督、刷っていない人たちが、1人ずつ交替で暗室に入り、中で作業している人にやり方を教わりながら塗る、という方法で、全員が感光剤を塗りました。つまりは、伝言ゲーム方式で、感光剤の塗り方が8人に伝えられたわけです。
私が中に入ったときには、先に作業をしていた人が、左手に葉書大の厚紙をもって、右手に幅の広めのバターナイフのようなものを持って、
「これは、そーだな、トーストに蜂蜜を塗る、そんな感じで塗ればいいんだよ。勝手に流れて、広がるみたいだよ」
「あれー、結構べとべとしてる。ぜんぜん流れない。もっとたくさんのせないと全部に行き渡らないよー」と私。
「あー、ぼてぼてになってるー。いやー、ぜんぜん広がらないよー。やだー、うまくいかないー」(これも私)。
さて、今朝の講師の話。
「最初の方にやった人たちのは、ほぼ完璧でしたが、あとの方にやった人たちの板の中には、感光剤がぼてぼてしていて、ヘア・ドライヤーで乾かそうと思っても、ぜんぜん乾かないようなのがありました」
「たとえばOZKさんの塗ったのの中には、こんなにぶわーっと膨らんでいるのがありました」
あららー、すみませーん! でも無理ですよねえ?伝言ゲーム方式なんて。
結局、8枚作ったうち、まあまあの出来だった4枚を使って版を作りました。
感光した後の版は1週間ぐらい寝かせておかないと、感光剤を塗ったところの表面が落ち着かないとのことで、今日は試し刷り1枚をとっただけですが(その試し刷りも、版の表面がちょっとべとついたために、刷った紙が版からきれいにはがれず、紙の裏からスプレーボトルを使って霧を吹きかけるやら、それでもはがれないので、版がくっついたままの紙を水の中にドボンと沈めるやら、大騒ぎでした)、なかなか面白い表現が出来そうだな、という気がしています。感光剤の塗り方にムラがあるので、感光した図柄もちょっと脱力した感じがしました。同じ一本の線でも、始まりは太いが終わりの方は細めになっている、とか。もっとも、ちゃんと感光剤が塗れていた人たちは、作品も脱力なんかしていなかったのかもしれませんが。
市販のフォトポリマー板を使うと、かなり精密な写真に近い表現もできるのですが、私は、ここのところ、なんていうんでしょう?あまりきっちりしていない、ゆるゆるーっとしたものを作りたいと思っているので(意味分っていただけるでしょうか?)、お手製フォトポリマー板は、ぴったりかなという気がしています。
ちなみに、講習を受けていた人のひとりがシルクスクリーンに詳しく、もしかして、シルクスクリーンで目の粗いメッシュを使って、厚紙の表面に感光剤を塗れば簡単だし、表面も平らになるんじゃない?などという話をしていました。いろいろな人が参加していると、いろいろなアイデアがでて、これもこうした講習会のいいところです。